2012/11/27

憲法は「押し付けではない」 この人から受け継ぐもの 井上ひさし

ほとんど同じ時期に、憲法は押し付けられたものではないと、押し付けであるという正反対の意見を見ました。
それぞれの意見を引用して紹介します。
憲法の芽は第二次大戦以前の大正デモクラシーのころにあり、日本の敗戦を期に、民主主義を取り戻すために、国会の議論を通して作られたものです。
(以下引用) 
昭和二十年から二十一年にかけて百六十いくつの民間憲法が出来て、そのいいとこが全部入ってます。それからアメリカの独立宣言から、フランスの人権宣言、国際連合の憲章、不戦条約、すべて入ってますから、あれは押し付けられたものではなんでもないんです
(引用終わり) 
 ということです。
  (長いですが、以下引用)
この人から受け継ぐもの 井上ひさしから
憲法は「押し付けではない」 
p19ここまでまとめますと、吉野作造博士がいうのは、憲法は国民が時の政府に向かって発する命令です。だから憲法は国民の側から時の政府、これはいろいろ政権が変わりますが、とにかく時の政府に向かって発している命令の束です。法律は時の政府が国民に発する命令の束です。常に憲法は法律に優先する。今僕らがそれが常識みたいに思っています。そして政府の法律が国民が発している命令に合っているかどうか、それを試すためにもう一つの司法が必要である。つまり今でいう最高裁判所です。
 日本の最高裁判所は戦後出来て、あまり仕事をしていませんが、本当はもっと仕事をすべきです。政府が作る法律が憲法と整合性を持っているか、違うか合っているかということを国民に代わってやるのが、最高裁判所の本来の仕事です。だからわれわれは裁判官を審査するわけです。なぜ裁判官を審査するかというと、最高裁判所の裁判官たちは、政府がたくさんの法律をつくりますが、それは憲法の下位概念ですから、憲法に合っているかどうか国民に代わって常にチェックして行かなければいけないからです
 これが吉野博士の中心的な考え方です。ただこれは当時としては、かなり危険な考え方です。今は普通ですが、私たちが吉野作造 のそういう基本的なことを理解しているかといえば、ちょっと疑問符がつくと思います。 昭和二十年から二十一年にかけて、新憲法制定とかいろんなことがありました。今日本国憲法が「押し付け」であるという論者がかなり増えてきましたが、こらは全く卑怯な、しかも実情に合わない俗説です
 というのはポツダム宣言、あれは条約ですが、あの中に日本の「民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障礙を除去すべし」と書いてあります。日本は戦争に負けたために、あの条約を受け入れた以上、あそこにあるもの全部実行しなければ条約違反ですが、日本にかつてあった民主主義的傾向を復活させろというのも条件の一つです。
 それが何を指すかというと、大正デモクラシーです。実は第一次大戦が終わって、あまりにひどい戦争だったのでみんなショックを受けて、国際連盟ができます。ペンクラブもそのへんにできたのですが、世界がもう戦争をしない、話し合いで全部すませていこうという世界的な流れができたときに、日本にもデモクラシーという大きな波が、それまでの準備で盛り上がったわけです。
 それがやがて昭和に入って、統帥権の独立、つまり天皇あるいは宮中と軍部がいかに国の運命を決めていくようなになる。満州事変で関東軍が独走しますよね。これはいろいろな問題があったのですが、独走したのをよくやったと勅令で天皇が認めます。そうすると軍部は、満州事変のように自作自演でほかの国に攻めていく方法を天皇が認めて下さったので、それからは功名争いみたいに、どんどん軍部が独走していくわけです。だから昭和天皇に責任があるとすると、その一点です。満州事変を勅令で認めてしまったということは昭和天皇の責任であろうと僕は思います。それは昭和天皇個人というよりも、周りです 。
 いずれにせよ、そのへんまでは吉野作造博士や河上肇博士、もちろん草の根に至るまで、大きな動きとして国民一人一人の顔がはっきりしてきました。そして、たとえば吉野作造が言ったように、もう少し天皇のやり方を制限して議会と憲法でやって行かなければだめだ、政治は国民がもとになっていなければだめだという動きが、大正時代に盛り上がったわけです。ポツダム宣言はそれを指しているわけです。 
 だから押し付けというよりも、昭和二十年後半、四十代より上の人たちは、それは昔あったじゃないかという感覚だったのではないでしょうか。僕の表現で言うと、古い子守唄がふと聞こえてきて、そう、そういう時期が日本にもあったんだよということです。だからあの憲法を、世論調査で80%ぐらいの高い確率で歓迎したわけです。そして戦争中のように、天皇とその周りがあまり権力をふるわないなら、あるいはほとんどふるわないなら天皇制を認める。そういう世論調査がたくさん残ってます。
 戦後、日本が日本国憲法を受け入れたのは、日本にはその下地があったからです。民主主義というか、当時は「民本主義」です。作造自身も後半には「民主主義」という言葉を思い切って使っていますが、そういう動きが作造をリーダーとして日本の各層にあったために、あの憲法はすんなり受け入れられたのだと思います。
 アメリカ政府、ブッシュ政権がイラクの戦後について、日本を管理占領した時代のやり方でやるのだというのは、歴史的認識としては間違いです。イラクはそういう時代がなかったわけです。サウジアラビアは今でも憲法も議会もないんです。だから遅れているという意味ではなく、日本にはそういう素地が完璧にあったわけです。
 ですから日本国憲法は押し付けらたわけではなく、強いて言えば、アメリカが思い出すきっかけを与えてくれた。なおかつ日本国憲法の中には、昭和二十年から二十一年にかけて百六十いくつの民間憲法が出来て、そのいいとこが全部入ってます。それからアメリカの独立宣言から、フランスの人権宣言、国際連合の憲章、不戦条約、すべて入ってますから、あれは押し付けられたものではなんでもないんです。日本人がもともと持っていたけれども、途中十五年間、司馬遼太郎さんの言い方で言いますと鬼胎、鬼から生まれた子供がそれを隠していたということだろうと私は思ってます
 つまり吉野作造が理想とした、あるいは当時説いたことが、いま実現していないのです。拉致問題はアメリカ政府が本腰を入れて日本政府が助けて、結局、なんでも議会を外している。拉致問題は国会全面的に討議すればいいと思うんです。どうしたら拉致された人を取り戻せるかということを、議会で議論しないで、結局は議会の外ですべてが決まっていくというのは、昭和初期と同じ政治のあり方です。
(以下引用)

「日本を変え、日本人を変える」 石原慎太郎 文藝春秋 2012/12
憲法改正より新憲法を作れ
なぜこの国、そして日本人がここまでおかしくなってしまったか。それは根本的なこと、最も肝心な問題から目を逸らし続けたからです。
 その最たるものが、占領軍によって押し付けれられた醜い日本語で綴られた日本国憲法にほかならない。日本の自立を縛り付けるこの憲法を、アメリカがどれほど高圧的に与えたか、白洲次郎氏から度々聞かされたものです。
 現在、日本はシナ、韓国、ロシアの三国によって、領土への不当な攻撃を受け、北朝鮮には同胞が拉致され、今なお解決に至ってない。しかも、シナ、ロシア、北朝鮮はいずれも核兵器を保有し、事あるごとにその牙をちらつかせて恫喝を繰り返している。こんな状況に置かれている国家が、世界中他にどこにありますか。にもかかわらず、その国の憲法では、集団的自衛権すら否定され、領空領海に対する侵犯すら極端な自制を強いられている。
 弊害はそれだけにとどまらない。「絶対平和」という空想的な理念を植え付けられた日本人は、自らの安全が決定的に脅かされつつあるという現実認識や、振りかかる火の粉は自分で払うしかないという常識すら失うに至っています。さらに、権利のみが強調され、それに伴う義務を軽んじた憲法の歪みが、日本人の我欲を培ってきた面も、忘れてはならない。
 どんな法学者に聞いても、占領統治下に占領軍が作った統治のための基本法に、独立を果たした後も拘束されるなどというケースは世界的にも存在しない。美濃部達吉、清源一郎、共産党の野坂参三までもが、この憲法の無効性を訴えてることも思い返す必要がある。
 実情が合わないどころか国家の危機すら招き、正当性も疑わし憲法を、日本人は自らの手で作り直す必要があります。もはや個別の条文を姑息に少しずつ手直ししたりする「憲法改正」は迂遠にすぎる。今の憲法を廃棄し、すでに作らている幾つかの草案をもとに、新しい憲法を作るべきです
(引用終わり)
 安倍改正案にみるような、人権の上位を、公共の福祉から公益の秩序に書き換えるよな考え方なら、改正には賛同出来ない。戦争の放棄を問題にしてるのはわかるけど、それ以外に具体的にどこが醜く変えるべきといっているのかわからない。国の秩序のために国民の命が失われても構わないと取れるよな新憲法を考えているなら、賛同出来ないし、石原維新に投票もしたくない
ただ、目を背け蔑ろにしてきたものに向きあうべきという考えは、尖閣にしても憲法にしてもそう思う。
安倍さんの金融緩和に反対した民主野田さんに対する再反論で、金融緩和は白川総裁の恩師の学者も支持しているといっていた。上の石原さんも美濃部達吉など著名人の名前を出して、主張を強化しようとしている。権威者がいってるから正しいんだという主張は、説得力はあっても、その中身を何も保証しないんじゃないかと思ったりする。
 逆に井上ひさし氏の方も、ポツダム宣言は条約だから守るべきというのは、敗戦時に否応なく結ばされた条約なので、必ずしもいつまでも守るべきものではないとは思う。

思うに、井上ひさしの上記の本にあったんだけど、

ジョン・ダワー著「敗北を抱きしめて」では日本のことをclient stateと書いている
client stateとは
client stateの意味や和訳。 【名詞】【可算名詞】〔大国の〕従属国,依存国  
client stateとは。意味や和訳。顧客国:政治的・経済的・軍事的に他の国に依存した状態の国
憲法で戦争を放棄し軍備を放棄したから、国防とか意識が自立国とは違った異常な状態。危機に対してはアメリカに全面的に頼ってしまうしかない状態になったということか。それを醜い日本語で綴られた日本国憲法と。  
(以下引用)
強いられた死、幻想の回路 同じく「この人から受け継ぐもの」井上ひさしから
 アメリカの場合は、作戦前に参謀たちが集まって、数字の上だけでも、とにかく生還率が50パーセントを超さないと、その作戦は採用しないという厳重なルールがあるのです。三十パーセントしか生還率が見込めないけど、作戦の立て方あるいは表現のしかたで、六十パーセントあるからやろうというようなことはたしかにあったかもしれませんが、建前としては、「半分以上の兵隊が帰ってこない限り、その作戦はやるべきではない」という不文律があるのです。
 ところが、日本の場合は、生還率十パーセントなんですね。「九死に一生」というのはまさにそのことです。百人の兵力を投じて十人還れば、その作戦は採用してもいいということなです。ですから、決して、人の命を大事になどしていない--大事にしていたら戦争は出来ないわけですけども、一銭五厘の召集令状ひとつで若者をかき集めて、その人たちに「死ね」という命令をした人たちがいました。今度は、死んだ若い人たちがもう何もいえないことをいいことに、その人たちを勝手に選別して、勝手に神様にして、そして、天皇のために忠死したものすべて神様になるという幻想の回路を作った。さらにまた次の若い人たちをその回路にはめ込んで死にに行かせる。僕は、こういう構造は、頽廃しきっていると思います。
(引用終わり)
紙切れ一枚で死地に赴けははゴメンだな。。国を守るのに軍事力も必要とは思っていても、いざ自分や家族がとなると、ちょっと待てって思う。

憲法の国会での議論
「権利行使には義務が伴う」ってのは社会党の主張だったんだが・・・(ブログ)hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
長くて、文章も古いし難しい漢字もでてくるので読みにくいけど、確かに、国会で議論されて文言が吟味されてる。なので、押し付けられたものではないです。これすら社会党という左翼がつくったものだから認めなられないという話になるのかな。

2012/11/10

10月の読書メーター

2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1781ページ
ナイス数:41ナイス

つめたいよるにつめたいよるに感想
あくまで児童書っぽくてダメだった/どこかのスレに、試験でデュークが出て、生徒も試験官も号泣って出てたので読んでみたけど
読了日:10月28日 著者:江國 香織
失われた〈20年〉失われた〈20年〉感想
流石、商業誌の秀英がまとめた渾身の現代史の力作。朝日といって馬鹿にすることなかれ。1筋のどうすべきかという思想を元に両論併記の証言でつづられている。プラザ合意の円高誘導後バブルが発生し、その後資産価値の下落局面に入りBIS規制=貸出規制でトドメをさされたと。何が悪かったか分からない。平成の高橋是清?の宮澤さんも、財務省、経団連に反対されたら何も出来んよな。中曽根さんの日本を不沈空母にする発言は今でも覚えてる。プラザ合意発動時期で米国に尻尾を触らざるを得ない状況だったのかな
読了日:10月28日 著者:
植物図鑑植物図鑑感想
図書館の棚にあったので借りた/読んでて、女版のラブプラスと思った。自分に都合のいい異性という意味で。美少女が降ってくるラピュタとも思った。で、途中で投げ出しそうになった。あんな感じの彼氏にも旦那にもとてもなれない。あんなん、いねーよと毒づいた。無理だ、万能主夫で、噛みません、しつけができたいい子って。樹がいなくなるのも、はじめに示されていた/でも、流石、有川浩、ツボを心得てるというか、見事にはまった。後半、樹がしゃべる場面の実在感が半端ない。ラブプラスは現実という言葉と同じく、樹とさやかをリアルに感じる
読了日:10月16日 著者:有川 浩
子どものトラウマ (講談社現代新書)子どものトラウマ (講談社現代新書)感想
~かもしれないという語尾が多くて、なんだかなあと思った。/虐待の再現行為、学校に行っても、里親に貰われても、親になっても、再現しようとしてしまうという/親は、子どもに自分を満足させることを求めてはいけない。自分の欲求を子どもを使って満たそうとしてはいけない/しつけとしての虐待の項で、親から受け継いだものという説明だった。なぜ死ぬほどの暴力をしてしまうのかという説明が知りたかったが無かった。残念/虐待といじめは暴力的や心理的、ネグレクトと似ているように思ったが、類似する原因の考察は無かった。
読了日:10月7日 著者:西澤 哲
不愉快な現実  中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書)不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書)感想
米国が中国と協調路線を取ろうとしていること。軍事的にも日本が単独では勝てるわけがないことは理解した。しかし氏の日本実効支配で棚上げが最良というのは、今に至っては不可能に思う/国力は軍事だという考えと、軍事によらない経済関係を蜜にするという複合的相互依存は、参考になったが、EUのような関係は価値観を同じくする者同士じゃないと成り立たない/戦略は、人が死活的に重大だと思うものを対象にするというのは、自分がが生活する上でも参考になった/一連の中国の行動は日本の尖閣実行支配打破だ。だから読んでてモヤモヤ
読了日:10月7日 著者:孫崎 享
政治家の殺し方政治家の殺し方感想
職員数削減、水道局改革で赤字累積76億を累積で黒字78億に。売春街撲滅、特殊手当(保育手当、給食業務手当、戸籍登録業務手当、徒歩手当等)廃止出29億円削減、退職直前のお手盛り昇給廃止、不祥事原則公開、知事の交際費公開、随意契約を一般競争入札へ、3年で強制転属(平職員は何年でも同一職場、管理職は転勤があった)など、数多くのした仕事は、自己弁護ではなくて事実だ。マスコミの論調を一次情報にすることの危険と間違いを感じた。その仕事もそれ自体が目的ではなく、財政健全化の目的にそってされていて正しいと感じた。
読了日:10月7日 著者:中田 宏
顔のない娘 (バーニス・ルーベンス選集)顔のない娘 (バーニス・ルーベンス選集)感想
米原万里「打ちのめされる~」から/女から見た、男の自分の子どもに対する愛着行動の想像なのかなと。顔を見ずに夜中に部屋に潜んでいって愛撫したりしないよな。全く愛情がないと救いがないので、それに救いを感じるだけど。著者の男性観、世の中がわかってないくせに、頭が悪いくせに支配したがりで独善的、なんとか妻がフォローして成り立ってるという感じなのか。妻は自分が男にだらしないことを当たり前のような風情で、馬鹿な男に当たって、私可哀想という話か。イースゥとなんで仲良くなったのか今ひとつ分からなかった
読了日:10月7日 著者:バーニス ルーベンス

読書メーター

いじめと向き合う 下 中日新聞 2012/11/10

引用------------------------------------
子どもの電話相談の受けてきた「せたがやチャイルドライン」のベテラン相談員三人による座談会。後半は、現在のいじめ問題をどう捉えているかを聞いた。

-いじめ問題をどう見るか。

A いじめられている子が注目されるが、いじめている子が気になる。警察の介入が増えているが、それだけでいいのか。子どもは警察が入ったり、大ごとにしたいと思っていない
なぜいじめるようになったのか、聞いて上げる必要がある。再発防止には加害者のケアも必要だ。
C 警察介入は学校も親も「子どもと向き合わない」と宣言しているようなもの。それでは、子どもも「何かあれば警察に言おう」と思うのでは。
A 人とのつきあいかたを学ばないまま大人になっていくのが怖い。娘も小学校でいじめられたが、いじめていた子もつらい状況にあるのを知った。その子と親を含めて話し合ったことで、尾を引かなかった。「いじめる子を追い出すしかない」という考えは寂しい

-人間関係が希薄になっているのでは

-電話相談で、第三者の立場で話を聴いてできることは
Aトラブルの原因や解決策は、子ども自身が考えることが大切。子どもも自分で何とかしたいと思っている。その気持を支えるために一緒に考えよう、話ししましょう、という姿勢が必要ではないか
以上引用-------------------------------------
1.文脈からいって、警察介入を望んでないのは加害者で、それせずに、加害者にいじめている理由を聞くべきという考え。
確かに、子どもと向き合って、理由を聞くことは大事だし、前提としてそうすべきというのは分かる。
でも、警察が介入するケースは、暴行や、強要や恐喝といった犯罪レベルの話で、そこまで進行しているものに理由を聞いてなんて話はあるだろうか。ものを盗んだ人になんで盗んだか聞くのか。暴行する人たちになんで暴行するか聞くのか。大ごとにしたくないのは、加害者と学校関係者じゃないのか。むしろ、おおごとにしなきゃいけないことじゃないのかと。
少なくとも、警察はいじめを止める機関ではないけど、法に触れる行為を取締り、自殺を防ぐことを期待出来る法によるの取締は学校では出来ないから
虐待を防ぐことは、児童相談所には難しくても、虐待死を防ぐことを期待されるのと同じだ。

生命、身体、精神の危機に対して、あらゆる方法で抵抗することが許されるべきだ
マサリク チェコの精神から

「いかなる人間も、自分の隣人を殺す権利をもたない-この人間性の法は、例外なくあらゆる人間に当てはまる」。それ故、そこから、人間性の倫理にとって、「全ての人間は、肉体的および精神的生活に対する脅威に対しては、それが誰からくる脅威であろうとも、いかなる状況のもとでも、抵抗することが許されるし、さらなる抵抗しなければならないという、第二の規則が出てくる。全ての人間は、暴力と暴力性から自己を防御すべきなのである
つまり、親に言って、学校にいって、教育委員会にいって、警察にいって、最後は実力行使でも、それが肉体的、精神的な脅威から守るためなら正当化されると考える。
ただ、厄介なことに加害者も、それが生徒であれ教師であれ、被害者、攻撃対象から抵抗されると、彼らにとって精神的脅威とみなされ、相手を痛めつける衝動をおこさせる。全能はずされ憤怒「お前が思いどおりにならないせいで」
だから、悪への抵抗、理不尽と思われる組織の処遇への抵抗が、自分の望む状態になるとは確信出来ないところがある。

2.子どもが自分で理由を考え、自分で対処するのを助ける
ほんと何言ってんねんと思うのだが。。自分で解決できたら苦労もないし自殺も起こらんわ。
ああ、でも「3月のライオン」では、零くんがひなちゃんの話を聴いてあげてたっけ。
6巻でも零くんが自分の高校の先生に相談して、
「まず家族に話せたのがすごくでかい」
「誰にもいえなくて一人で抱え込んでしまうのが一番まずいんだ」
「(インターネットを見ても)答えはどこにも載ってない」
「完璧な答え」なんてどうやったって出てこない

でもー最低限やっちゃイカンことも見えてきた
「解決しないと!!」って周りの人間がヒートアップして本人の気持ちを置き去りにしてつっぱしちまうことだ。
本人が「大ごとになりたくない」「したくない」と願っているのにお互いの家族が学校中を巻き込んで大騒動して解決してもダメなんだ。
たとえ、いじめが沈静化してもそこに居場所がなくなっちまたんなら意味がねーからな
だから大事なのは、「ひなちゃんがどんな風な解決を望んでいるか」をよく聞くことだ
ここは時間がかかってもいいから、ゆっくる思ってることを聴いてあげるんだぞ

でも、実は、意外に効果が高いのが
相手に何かされたときその場で「やめて」って言えることなんだが。。

 聴いてあげることで、そのひとの勇気になったり自尊心を助けるのかもしれないと思い直した

>いじめられている理由を考えることが大切か?
多くの場合、クラスのグループ内のヒエラルキーが低く同調力(周りのノリに合わせる力)が弱い者がいじめの被害に合うという。
スクールカーストとタイプ別の「いじめ」(図表3 コミュニケーション能力の高低によるクラス内地位)森口朗『いじめの構造』より

>相談員の仕事の意義は理解できる
話を聴いてあげる事はすごく大事で救いになる
いじめで苦しむ子どもが苦しみを打ち明け聴いてあげる行為はすごく大事だ
NHKスペシャル「いじめ 第2回 教師 いま何ができるのか」で、自殺した子どもの母親が、他のいじめられている子どもの電話相談にのっているという話があった。
「NHKアーカイブス」  - いじめ 子どもたちのSOS -ブログ
母親が、来た手紙に必ず書くことばは、あなたは悪くないので自分を責めないでください、などであった。母親は、今でもいじめにあっていたことを言って欲しかったとコメントした
3.「いじめる子を追い出すしかない」という考え
確かに、いじめ加害者は話が通じない集団として彼らを排除するか、自分が不登校するかという2者択一も違う。被害者が一方的に不利益を被るのもおかしい。
なんとか虐めている彼らの利害計算に、親、学校が働きかけて、被害者を生贄のようにすることが、損になると思わせるように向かわせないといけないと思う利害計算にもとづくいじめ(内藤朝雄『いじめの構造』より)

4.-人間関係が希薄になっているのでは
これも 内藤朝雄『いじめの構造』で書いてあったが、彼らはノリという濃密すぎる人間関係の中にいると 群生秩序と市民社会の秩序内藤朝雄『いじめの構造』より
つまり、不勉強な識者たちの思いつきの矛盾した概念
人間関係が希薄ー濃密
幼児化    -計算高く人の目を気にするのは大人以上
無秩序    ー秩序過重
内藤朝雄の本を読んで良かったと思う点は、こういういじめについての記事で出てくる論点、人間関係が希薄だからなどという考えに、それは違うという物差しを持つことができることだ。

いじめがあったらもう学校に行かなくていいってのや、すぐに警察の介入ってのもしかしたら乱暴で、
そうなる前に、確かに、率直に話すことが解決の大きな鍵なのかしれない。。
逆に話すことがもっとも難しく、問題が深刻化しているとも言えるが。

3月のライオンの方法といじめの構造の方法は全く違う。
3月のライオンの方悪くすると、児童相談所が、対象の両親との関係を損なわないように慎重に介入して、結局子供が死んでしまうパターンを想像する。
いじめの構造の方法は、相手を怪物とみなし、話し合いなんて想定していない。生徒内の秩序を崩すことを目指している。
3月のライオンでは、先に書いたように「意外に効果が高いのが相手に何かされたときその場で「やめて」って言えることなんだが」といっているが、内藤朝雄の解釈によると、抵抗は相手の怒りをかい余計いじめられるから、やめてなどと言うべきじゃないってことになってしまう。
少なくとも、理不尽な現実は固定的なものと捉えない方がいいとは思う

2012/11/09

田中真紀子=荒巻スカルチノフ





 







中日新聞2012/11/8
見たとき、荒巻のAAに似てると思った。
真紀子ちゃんが息をしてないのーとか

こんなひどい格好の写真が新聞を見ながら朝食。なにか不思議な気分w

思うのは、何十年も国会議員をやってて、行政の仕組みとかまったく分かってないんのかってこと。

>「行政を替えるには、抵抗もあるし、こんなにストレスフルだ」
違うよな、行政の仕組みを理解しようとしない、出来ないから、何も変わらないし、混乱する。

>「大臣に裁量権がある」と発言してるが裁量権はなかったのね。。

確かに、池に大岩を投げるような世間の注目を集める力はあるけど、上手い方向に進んでほしいもの。お守りが大変そうだw

2012/11/05

nhk いじめ アーカイブス

>なぜいじめるのか
いじめると、優越感、いじめに回っているかぎり自分はいじめられないという安心感
一人では出来ないけど、友達がいっぱいいれば怖くない
誰かが嫌いというと、嫌いが移る

>いじめららた子は
インタビューすると、堰を切ったように話し続ける

>先生に相談したら
先生にいったら、ウチのクラスにこんな悪い一人は一人もいません
あなたが思い込んでいうだけと言われた

いじめている人の名前は怖くて書けない

クラスの寄せ書きで死んでくれてありがとうみたいなことのが書かれて
それを渡されてショックで涙がて悲しかったけど、笑った
笑って傷ついてないふりをしないとエスカレートすると思った

>教師の本音
学級経営がなってないからいじめが起こると、繰り返し言われている
いじめがあったら教師の評価が下がる
他の教員に相談しようとは思わなかった
本人の申告がないのに、わざわざほじくり返して、騒がなければ何事も無く平穏にすぎるものを、わざわざ棹さして騒ぐのはどうかと思った
死ぬのも自然淘汰。弱肉強食と平気で言う教師がいた

教師の本音を非難する気にはならない。よく感じていることを言ってくれたと思う。
テレビ側が気に入ったコメントだけを採用してるんだろうけど
NHKスタッフは1000通の手紙を読んで、ピックアップして読んだのか。朗読が文章そのままじゃなくて、一言一言区切ってすごく大切に読んでる印象だった。

清輝君のお母さんが、死ぬほどのことがあるなら一言でも言ってほしかったと言っていた。彼が死んでからあと、いじめの相談で他のいろんな子から話を聞いてあげている
ほんとは清輝くんの話を聞いてあげたかったろう
泣けてきた
こんなに愛情あふれる両親がいるのに。。
生きていればつらい出会いもあるかもしれないけど、嬉しい出会いもあるだと
大津の共通点、仲良しグループの一員と見られるなかでの暴行、恐喝、強要であったと
江川氏は学級の人数を減らして副担任をつけて相談しやすくすると提案していた

いじめの構造で、学校でのいじめ犯罪に司法の手をいれることを解決策として提案していた。賛成の気持ちでいたけど、でも本人がいえない状況で(最後まで)、どこまで効果があるだろうか
もし明らかな証拠があれば、外部秩序の介入は、パラダイムシフトを起こして効果があろうとは思うけど。ああ、暴行とか強要が発覚したあとの対応か

最近読んだ本

hoge hogeの最近読んだ本