2012/08/17

下町ロケット 感想

書評家大矢博子さん推奨。その後直木賞を受賞して、アマゾンのコメントでも面白そうにおもったので、読みたいと思っていた。

ロケット打ち上げ失敗で研究所を追われた主人公佃が
家業の町工場をついで、いろいろな外圧で廃業の瀬戸際に
追い込まれながら、なんとか打ち勝って、先の打ち上げ失敗の
雪辱を果たそうとする物語。

中小企業vs大企業、銀行だと違和感がある。
普通は、国内海外に競合他社がいて、価格品質で受注を売る。
口が裂けても、「評価する気がないなら帰れ」なんていえない。
部品の納入テストの帝国重工の態度が酷すぎたから、
大企業に啖呵を切る場面は溜飲が下がったけど、あれは普通は出来ない。

それと、物を作って売るだけでは夢がないみたいなことを言ってたけど、
それって中小の製造業を否定してないか?親会社のスペックで、決められたものを
汗水たらして造るのは夢がなくてつまらないことなのか?

製品化のめどもない開発に20億近い金をつぎ込んだら、真野さんじゃいけど
不平がでて当然だし、銀行だってなんだそれって思って当然だよ

だから、中小企業のサクセスストーリーとすると違和感がある。ロケット研究者の
一度敗れた夢に様々な協力のもと成功に向かってひた走る物語だしっくりくる。

元妻の、短い登場ながら、のちの結果へ重大な関与をしていた。
男はロマン、女は現実というが、女が夢への案内人の役割を果たしていた
はじめのほうで、お金お金で夢がないと家をでた妻に、身勝手な話といっていたが、
その身勝手な女に救われる。それも、佃や元妻沙耶さんの器量によるものか
窮地においては、まさに地獄に仏
また、ある時は、あなたは帝国重工のプロジェクトに参加する方向にもっていくと思っていた、と佃自身思ってもしない言葉で、佃を夢へと導いていく。

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